世の中の情勢が不安定になればなるほど、リスクを回避しようとする動きが強くなります。
長い年数の住宅ローンを組むことが多い、マイホーム購入においても同様の影響があると思われます。
実際に、不動産サイトやYouTubeでは「住宅は購入すると損をする!」「賃貸の一択!」のオンパレードです。
では、マイホーム購入は通常の人にとっては「危険で回避すべきもの」になってしまったのでしょうか。
私は「そう結論づけるにはまだ早い」と考えています。
その理由の1つが「発信者の多くが(おそらく)実際に住宅購入をしたことがないのにそう言っているのではないか」ということです。
「住宅は購入すると損をする!」「賃貸の一択!」の背景を説明すると…
①「住宅購入するのはダメ」「賃貸の一択しかありえない」といったような、強いインパクトを与える言葉に読者や視聴者が引きつけられる
②その波に乗っかろうとする、上辺だけマネをする人たちによって、そのムーブメントがさらに加速していく
ただ、私自身は「持ち家推進派」ではありません。
実は、私は「持ち家派」「賃貸派」のどちらの立場でもないのです。
ただ、あまりに偏った意見が多いことに違和感を感じて、この記事を書こうと思いたちました。
結論:「総費用比較しての『賃貸一択』の結論」はちょっと待った!
よくある「賃貸VS持ち家」メディアの主張はこうです。
- これから(例えば)80歳までにかかる総費用を計算してみました
- その結果、賃貸一択であることがわかりました
- ですので、賃貸に住みながら、差額を資産運用していくのが賢い生き方です
それに対して、私の結論は「えっ!?ちょっと持って!」です。
確かに、何よりも「リスク回避したい」ということが一番にあるのであれば、マイホーム購入は避けるべきことでしょう。
ただ、思考停止的に、「賃貸の一択」という、声が大きい人の意見に流されてしまうことは損をしていることかもしれません。
まずは冷静に、そして、正しく比較をしたうえで決めていくことが一番です。
なぜなら、マイホーム購入には、物件を所有するという「所有欲」以外でもメリットがあると私は思っているからです。
その「持ち家のメリット」に加えて、それこそ、多くのサイトでは語られていない、「モヤっとする部分」について今回は確認をしていきます。
総費用の比較をしているサイトの多くはココの設定が間違っている
なぜ私が、「『賃貸一択』と言っている人の多くが実際に物件購入をしていないのではないか」と思うのかについて最初に説明していきます。
その根拠は、実際に物件購入をしようと考えた人であれば当然持つ視点に、(ほぼ)触れられていないから、です。
この説明を聞いてもよくわからない人は、「賃貸_持ち家_どっち」とかで検索をして、出てきたサイトのいくつかに目を通してもらってからの方がよく伝わるかもしれません。
よくある「総費用比較型」のサイトでは
よくある「総費用比較型」のメディアでは、例えばこんな感じで賃貸と購入した場合を比較して伝えています。
簡単にいうと、「金額の比較はしている」のですが、そもそも、「どういう間取り」の「どういう立地」の物件なのか、という前提がありません。
賃貸の場合は借り換えることができることがメリットなのに、家族構成が変わってもずっと「同じエリア」で「同じ間取り」の家に住む条件である、という部分です。
こどもが増えたり、大きくなると引越しを考える人も出てきますよね。
実際に私は、「結婚してから」「こどもができる前後」で引越ししました。
逆に、実際に住宅を購入を考えている人は、「人生設計(ライフプランニング)」を考えているので、立地や間取りから考えていく人がほとんどなんですよね。
少し気の利いたサイトでは
少し気の利いたサイトでは、「賃貸の条件」の方に少し変化があります。
というのも、物件を購入したとしても、本来は様々な選択肢があるからです。
これらの選択肢が実際にはあることは知っておいて損はないことだと思います。
- ローン完済後に売却する
- ローン完済後に賃貸で貸し出す(自分は別の家に住む)
- ローン完済後もそのまま住み続ける
- ローン支払い途中で売却する
- ローン支払い途中に賃貸で貸し出す(不動産投資に近い)
大手サイトの結論は、そもそも「ポジショントーク」!?
これまでの違和感に共通しているのは、「立地」や「間取り」や「生活の質」などが考えられていない点です。
その理由を暴露します。
気づいている人もいるかもしれませんが、「持ち家がお得」と回答しているサイトの多くは、「住宅販売」系のサイトだったりします。
「賃貸がお得」という結論なら、「賃貸物件案内」系のサイトだったり。
そして、「フラットな立場」とうたっているのは、FP(ファイナンシャルプランナー)系サイトです。
「フラットな立場ならいいんじゃない?」と思うかもしれません。
ただ、そのあとには、『個別相談(有料で)承ります』とくるわけです。
これは当たり前ですよね。
つまり、大手メディアの結論は「自社に利益があるように誘導しているもの」なのです。
目を凝らしてみると、それらの結論は、いわゆる「ポジショントーク」であることがわかるんですね。
ですので、どちらにも傾いていない個人ブロガーである私が、「購入した立場」でお伝えしています。
「賃貸こそ余分なお金を払っている」という、誰もがわかるはずの話をします
そもそも、無条件に「賃貸だから安い」とか「賃貸だからお得」ということはありえません。
これは、私が負け惜しみで言っているのではなく、「仕組みから考えて普通のこと」なのです。
では、これからその仕組みについて確認していきましょう。
あなたが、賃貸マンションのオーナーなら、家賃をどのラインに設定しますか?
その仕組みをわかりやすくするために、
ということを考えてみてください。
以下の条件で、あなたなら「家賃を大体いくらに設定しますか」という話。
- あなたはマンションを建てました(購入しました)
- そこからの収益で生活しよう(生計をたてよう)と考えています
- ただ、住人の引っ越しなどを含め、「空室になるリスク」もあります
- もし、「全室」が「常に」埋まっているなら、家賃10万円でトントンになる計算です
あなたは、この物件の家賃をどのくらいに設定しますか。
- 10万円より安くする
- 10万円にする
- 10万円より高くする
おそらく、ほとんどの人が「3」を選んだのではないでしょうか。
そうです、「1」は損をしてしまうのであり得ないですし、「2」だと空室ができた瞬間に損をすることが決定してしまうからです。
賃貸物件のオーナーは「儲ける」ことを考えているのですから、「3」を選ぶことは当然のことですよね。
あなたが、賃貸マンションのオーナーなら、設備をどのラインに設定しますか?
では、さらに質問です。
マンションを貸し出すことで儲けるためには、マンションの「設備(例えば、壁紙や床素材や空調など)」は、どういうランクのものを用いますか。
- 最高級のランクのもの
- 普通ランクのもの
- 必要最低限ランクのもの
おそらく、ほとんどの人が「2」か「3」を選んだのではないでしょうか。
儲けようとすれば、わざわざ「1」を選んで費用(コスト)を増やすことはしないはずですよね。
同一条件なら、賃貸物件の方が月々の支払額が高くなる傾向
一般的に、同一条件(例:3LDK、築5年以内など)では、月々の支払額は「賃貸の方が高くなる」傾向にあります。
同じような条件では、「賃貸物件の家賃の方が月々の支払額が高くなる」のです(もちろん、住宅ローンの返済年数次第ではありますが)。
具体的には、
- 同じ地区の
- 築10年以内
- 3LDK
などで、検索してみるとわかります。
賃貸の方が、一般的に2~5万円高い結果になったのではないでしょうか。
ちょっと難しい話をします
なぜそのようになっているのかを少し詳しく見ていきます。
そもそも、賃貸物件のオーナーは、余剰資金で物件を購入しているのでしょうか。
実は、全員がそういうわけではありません。
では、余剰資金で物件を購入していないなら、どうやって購入しているのでしょうか。
それは、金融機関から借り入れした資金で購入しているのです。
- 金融機関から資金を借り入れして、物件を購入
- 入ってくる賃料から、借入資金を金融機関に返却していく
この流れで「儲けていく」というわけです。
でも、借り入れた資金には「金融機関の儲け」が上乗せされていますよね。
つまり、金融機関への月々の返済金(分割返済金+利子)より、高い賃料を手にしないと儲からないのです。
ざっくりいうと、「賃貸物件の家賃収入=物件価格+利子+オーナーの利益」です。
であれば、「賃貸物件の家賃が持ち家の月々の返済額より高くなる」のも当然納得できるのではないでしょうか。
なぜなら、儲けを出そうとするならば、「住宅ローン(借入資金)の金利込みの金額」を上回る金額で家賃を設定する必要があるからです。
あなたは「割安な物」に「割高な金額」を払うのですか?
まとめると、
- 設備は持ち家に比べて「割安なもの(安物)」なのに
- 料金(家賃)は「オーナーの儲け」込みの割高な料金設定
なのです。
「割安な物に割高な料金を払う」と考えると、かかる費用だけで「賃貸と持ち家」を比較するのは少し違和感がでてきませんか。
そうです。
マイホームを持つという「所有欲」ではなく、「品質」という価値観がどのサイトにも載っていないのです。
間取りは同じだけれど、
- 床暖房がある
- 浴室暖房がある
- 追い炊き機能がある
- ウォシュレットがある
- 壁が厚く遮音性が高い
- 気密性&換気機能が高い
- 壁紙のデザインがおしゃれ
などなど、装備の違いが「実際に」あるでしょう。
- 上記装備が全部ある、月々10万円の持ち家3LDK
- 上記装備が『全くない』、月々10万円の賃貸3LDK
この2つが、同じ「間取り」「費用」だとして、それでも「賃貸一択!」という結論でOKでしょうか。
※注意!:この記事では「戸建て物件」については言及していません。自分の体験談であり、比較しやすいようにマンション限定で話をしてきています。
まとめ:「賃貸一択」はリスク回避はできる!!けど、その結論はどうなの?
確かに賃貸物件を選ぶことで「住宅ローンを抱えるという長期的リスク」を避けることができます。
ですが、先ほどまでの理由で、「なにがなんでも賃貸一択」という結論に対しては、個人的にすごく違和感を感じるのです。
そして、持ち家であっても「死ぬまでそこに住むもの」という時代は終わりました。
ローン返済途中であっても、必要に応じて売却する選択肢もあるのです。
あとは「途中で売ること」を前提に物件を選びさえすれば、住宅購入はむしろ
- 適正な装備の物件に
- 適正な費用をかける
良い手段と言えるかもしれません。
脊髄反射的に「賃貸以外はムダ!」といって思考停止してしまっては、損をしてしまうかもしれません。
ただ、持ち家には「住宅ローンを抱えるという長期的リスク」があるのは事実です。
ですので、いざというときには「売却可能な物件」を選ぶことが重要になります。
未公開物件とは
私は、購入した物件がたまたま価値のある物件だったからよかったのですが、「もし違っていたら…」と考えただけで恐ろしいです。
私は、大手の不動産販売のポータルサイト(SUUMOやHOME’Sやat homeなど)を見て物件を探していました。
私と同じように、いくつかのサイトを見たことがある人なら、知っていることかもしれませんが、同じ物件が複数のサイトに載っています。
これは、いわゆる「公開物件」と呼ばれるものだからです。
ただ、あなたは「大手の不動産販売サイトには載っていない、未公開の不動産がある」ってことは知っていますか?
もし知っていて、活用しているのなら大丈夫です。
ただ、それも知らないまま不動産を購入するって、このご時世ではかなり危険なことだと思います。
たまたま価値ある不動産に出会えた私だからハッキリ言います。
「価値ある不動産を手に入れるためにはできるだけ多くの物件を比較検討して選んだ方がいい」に決まっています!
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そして、その結果、価値ある不動産と出会えますように。
誰かのお金で損をしないためのお役に立てていれば幸いです。