株式投資(資産運用)では、「分散投資をすることが基本」と言われています。
分散とは文字通り「分けて散らす」ということ。
ざっくりいうと「バラバラにする」イメージです。
こう考えている人がとても多いのですが、それだと半分まちがいです。
本当の意味で理解できている人は、意外と少ないかもしれません。
だからこそ、あなたには「正しい分散の意味」を知ってほしいと思います。
- この記事を読めば、「分散投資」の基本を知ることができます。単にバラバラに投資するのではなく、正しい考え方を知ることができます。
- 投資未経験者~投資初心者向けの記事です。
結論:分散投資とは「リスクを分散させる」ように投資すること
結論から言うと、分散投資とは「リスクを分散させるように投資する」こと。
その手段として、「投資する地域・国(全世界や先進国など/アメリカや日本)」や、「投資する金融商品(株式や債券)」や、「投資する企業(HONDAやNISSANなど)」に着目していくのです。
「投資先を分けていること=分散投資できていること」と必ずしもいえないのは、そういう理由からです。
結論、それだと「分散投資できている」とは言い難いです。
なぜなら、どちらも自動車関連企業という、「同じセクター(業種)に属している」からです。
自動車が売れない局面を迎えたとしたら、「2銘柄ともに株価を下げることになる」ことは明白。
つまり、そのままだと「リスクは分散されていない」のです。
【メリット】なぜ分散投資をした方がよいのか?
そもそも、分散投資はなぜした方がよいのでしょうか?
簡単にいうと「損をするリスクを下げるため」です。
株式投資の世界に、よく知られる格言があります。
- 卵を1つのカゴに盛っていると、カゴを1つ落としたら全ての卵が割れてしまう(全滅する)
- 卵を複数のカゴに盛っていれば、カゴを1つ落としても割れるのはそのカゴの卵だけ(全滅しない)
つまり、「卵を盛るカゴを分けることで全滅を防ぐ作戦」なのです。
確かに、卵ならわかる気がしますよね。
ですので、この先では具体的に金額で考えてみます。
具体的には
資金が300万円あったとして、その資金を
- 1つの銘柄だけに集中投資した場合
- 3つの銘柄に分けて投資した場合
で考えてみましょう。
1つの銘柄へ集中投資した場合
今回は、コロナショック級の暴落があったとします。
◆A銘柄が30%下がった場合を考えます。
A銘柄 | -30% | |
300万円 | → | 210万円 |
300万円の金融資産の価値は、30%減ります(300万円×0.3=90万円の損失になる)。
つまり、1つの銘柄だけに投資していた場合、「30%の損失」になり、「金融資産の価値は210万円」になります。
3つの銘柄に分けてした場合
次に、3つの銘柄に100万円ずつ分けていた場合を考えます。
A銘柄 | -30% | |
100万円 | → | 70万円 |
B銘柄 | -15% | |
100万円 | → | 85万円 |
C銘柄 | -10% | |
100万円 | → | 90万円 |
全ての銘柄が暴落しています。
ただ、暴落の仕方(度合い)は銘柄によって異なるでしょう。
この場合、手持ちの資産は「300万円→245万円」となります。
手持ちの金融資産は約18%減っていることになります(300万円×0.18=約55万円の損失になる)。
今回のモデルケースでは「約18%の損失」になり、「金融資産の価値は245万円」になります。
先ほどは「30%の損失」、「金融資産の価値は210万円」でした。
つまり、3つの銘柄に分けて投資をしている方が「損失を少なくすることができた」ということがわかると思います。
ただ、同時にこう思う人もいるかもしれません。
そのB銘柄とC銘柄のリスク(数値設定)はあなたが決めたから、そういう結論になっているんじゃない?(出来レースでしょ?!)
確かに一部はその通りです。
なぜなら、B銘柄もC銘柄も-30%になれば、結論は1つの銘柄に集中投資した場合と同じになるからです。
A銘柄 | -30% | |
100万円 | → | 70万円 |
B銘柄 | -30% | |
100万円 | → | 70万円 |
C銘柄 | -30% | |
100万円 | → | 70万円 |
この場合、手持ちの資産は「300万円→210万円」となり、A銘柄だけに300万円投資した時と同じ結論になります。
合計が-30%なので、ある意味当然ですね。
つまりどういうこと?
まとめると、
正しい分散投資をするためには
- 連動して(同時に)マイナスにならない銘柄を
- 意図的に選ぶこと
が重要になるのです。
また、景気変動にあまり左右されない銘柄(生活必需品系)を持つのも大事かもしれません。
そうすることで、A銘柄が同じ30%のマイナスでも、損の幅を減らすことができます。
A銘柄 | -30% | |
100万円 | → | 70万円 |
B銘柄 | -15% | |
100万円 | → | 85万円 |
C銘柄 | +5% | |
100万円 | → | 105万円 |
今回は、「A銘柄は一気に下がり、B銘柄も下がる、ただ、C銘柄は上がる」というケースです。
この場合、手持ちの資産は「300万円→260万円(約13%の損失)」となり、A銘柄に300万円投資した時(最初のケース)と比べて損失を大幅に下げることができています。
- 最初のケース(A銘柄に集中投資)は「30%の損失」、「金融資産の価値は210万円」
- 次のケース(3つの銘柄に分ける)では「18%の損失」、「金融資産の価値は245万円」
- 最後のケース(C銘柄が上がる)では「約13%の損失」、「金融資産の価値は260万円」
ポイントは「意図的に(わざと)連動しない銘柄を選ぶ」ということです。
一説によれば「20銘柄に分散することでリスクを半分にまで抑えることができる」とも。
- 20銘柄に投資するということは、「1銘柄当たりの投資割合は平均で5%」となります(1÷20=0.05→5%)。
- ですので、仮に1つの銘柄の株価が急激に変化したとしても、保有銘柄全体の中では5%程度の影響しか出ないということになるのです。
【実践】リスクを分散させるためにポートフォリオを組もう!
分散投資をするためには、自らポートフォリオを組むか、インデックスファンドなどの投資信託(元々いくつもの銘柄が入っている金融商品)に投資をすることが必要です。
分散させるポイントは大きく分けて3つです。
- 国・地域
- 業種・企業
- 金融資産
これらを「意図的に分けて投資すること」=「ポートフォリオを組むこと」となります。
国・地域
日本一国に投資するよりは、日本+アメリカに投資する方が「分散」されています。
また、先進国への投資と同様に、新興国への投資も考えていきたいものです。
ただ、ここにはなかなか難しい問題もあります。
何が難しいのかといえば、世界が連動しすぎて値動きが「分散」してくれないことです。
実際に、「〇〇ショック」を振り返ってみると、アメリカも日本などの先進国も、中国やインドなどの新興国も、全てのエリアが連動して下がっていったのです。
とはいえ、一国(例えば日本だけ)にすべてを掛けるのは将来的にはリスキーであると思います。
日本株に投資するなら、それと同時に「日本以外」にも投資しておきたいものです。
業種・企業
例えば「銀行・金融」枠と「食料」枠など、業種(セクター)を分けておくことも「分散」といえます。
そして例えば「サービス業」の中でも、
- 景気に左右されやすい銘柄
- 景気に左右されにくい銘柄
があります。
自身に当てはめて考えると「景気に左右される」をイメージしやすいかもしれません。
例えば、あなたの給料が減ったとしたら、財布のひもを締めようとしますよね。
すると、普段の支出を振り返って
- これから我慢すること(支出カット)
- これからも我慢しないこと(そのまま)
に分けて行動も変えていくのでは?
あなたが考えたように多くの人が考え行動するので、好景気の時はいいけど、不景気になると下がりやすい銘柄というものがあるのです。
じゃあ、全て「景気に左右されにくい銘柄」を選んでおけばいいのでは?と思うかもしれません。
リスクを避けることの方が目的なのであれば、その通りだと思います。
ただ、「景気に左右されにくい」とは逆を返せば、「好景気の時にも上がりにくい」ことを指します。
悩ましい問題ですね。
どのあたりに着地するかは、あなたのポジション・スタンス次第だといえます。
1つ加えるなら、「景気に左右されやすい」銘柄を選んだのであれば、「景気に左右されにくい」銘柄にも投資しておくのがよいのかもしれません。
金融資産
これは、国内(国際)株式か、国内(国際)債権か、国内(国際)REIT(不動産投資信託)かなどです。
一般的に、株式と債券は反対の値動きをするといわれています。
ですので、これらを組み合わせていくことも「分散投資」となります。
ちなみに私は、
- 日本株にはネオモバ(SBIネオモバイル証券)で20銘柄に投資
- 全世界株式や先進国株式には、つみたてNISAで投資
しており、それぞれトータルでプラスの運用ができています。
私の運用実績はコチラ。
- ネオモバの運用:運用損益+0~1%程度(配当金目当て)
- つみたてNISA:運用収益率+10%前後(将来の資産形成目当て)
ネオモバを始めて、つみたてNISAだけの時には気づかなかった「細かい分散メリット」を感じることができています。
それは、実際にポートフォリオを組んでそれぞれの株価の連動性を見ているからかもしれません。
まとめ:分散投資とは「リスクを分散させる」ように投資すること
まとめると、
- 分散投資とは「リスクを分散させる」ように投資すること
- 分散させるときのポイント・目線
- 20銘柄以上に分散させるとリスクを半分にすることができるといわれている
を確認してきました。
リスクを軽減することができるのが、分散投資のメリットです。
ただ、こういう意見もあるかもしれません。
その気持ちすごくわかります。
私もそうでしたから。
であれば、まずは「3つの銘柄」への分散投資から始めてみてはいかがでしょうか?
冒頭の例でも確認した通り、3銘柄での分散投資でも効果はあります。
そして、慣れてきたら少しずつ銘柄数を増やしていくのです。
ただ、限られた資金であったとしても、分散投資できるお勧めの方法が2つあります。
それをこの後紹介していきます。
限られた資金で分散投資するお勧めの方法①
1つ目は、つみたてNISAで「全世界株式インデックスファンド」や「先進国株式インデックスファンド」などに積立投資することです。
これは実際に私もやっていて、私自身が何もしなくてもコロナショックを乗り越えていってくれています。
いや、むしろ「何もしなかったから」乗り越えられたのです。
限られた資金で分散投資するお勧めの方法②
2つ目は、SBIネオモバイル証券(ネオモバ)で、日本株へ分散投資することです。
日本株の売買の単位は通常「100株単位」ですので、株価(額面)が1,000円の銘柄であれば、1つの銘柄を購入するのに10万円の資金が必要になります(1,000円×100株)。
それだと、「株価(額面)が1,000円の20銘柄に分散投資しよう」と考えると、200万円の資金が必要になります(10万円/銘柄 × 20銘柄)。
200万円、って投資初心者には少しキビ…、いや、かなりキビシくないですか?
少なくとも私はそうでした。
だから、日本株への投資を諦め、先につみたてNISAを始めたのです。
ただ、SBIネオモバイル証券(ネオモバ)では、1株単位で買うことができます。
先の例でいうと、株価(額面)が1,000円の銘柄を1株買うのであれば、1,000円あればよいのです。
同じ条件なら、20銘柄への分散投資も2万円あれば可能に!
投資の規模は100分の1になりますが、収益が安定すれば、将来的な追加投資により規模を拡大していくことも可能です。
そして、もし20万円の資金があれば「10分の1の規模」で、同じように20銘柄への分散投資が可能になります。
あなたの資金力・リスク許容度にあわせて「選べるようになる」のです。
もし、SBIネオモバイル証券(ネオモバ)に興味がわいた人はコチラに詳しくまとめています。
誰かのお金で損をしないためのお役に立てていれば幸いです。