こういう内容を見聞きしたことはありませんか。
理屈的にはわかりますよね。
”守りができてから攻めに転ずる”と聞くと多くの人が納得するでしょう。
が、私にはこの内容は合いませんでした。
「貯金が貯まるまで待っていてはいつまでたっても投資が始められないじゃないか」というのが私の本音。
「貯金ゼロでもつみたてNISAを始めた方がいい」と私が考えている理由を今回はお伝えしていきます。
なかなか貯金ができないけど投資も気になる、投資初心者(未経験者)向けの記事です。
※今回の内容は世間の一般常識に反する考えかもしれませんので、参考にするかどうかはあくまで自己責任でお願いします。
私の結論:貯金ゼロでもつみたてNISAを始めた方がいい
私の結論は、貯金ゼロでもつみたてNISA(投資)を始めた方がいいというものです。
多少大げさに聞こえるかもしれないですが、このあとに示す条件を満たすタイプの人であれば少しでも早く投資を始めた方がいいと感じています。
その結果、少額だけしか投資できないとしても、それでもメリットが大きいと。
もちろん、それがどんなタイプの人にでも当てはまるとは思っていません。
ですので、まずはじめにどういうタイプの人が今回の対象なのかを説明していきます。
貯金ゼロでも投資を始めた方がいいタイプの人とは
私が想定している「貯金ゼロでも少しでも早く投資を始めた方がいいタイプの人」とは、以下の両方を満たす人です。
- 借金がない(少ない)
- 残高があるだけ使ってしまう
後述しますが、借金があるのであれば、投資よりも借金返済を優先させた方がメリットがあります。
そして、借金まではないのだけれど残高があるだけ使ってしまう人(私はこのタイプでした)は、貯金をしようと考えるよりもいっそのこと投資を始めた方がいいと思っています。
この先でそれらの理由について説明していきます。
借金がある人がなぜ対象外なのか
借金がある人がなぜ対象外なのかというと、借金を返済する方が効果が大きいからです。
借金とは、利子の分だけ損することが確定しているものです。
一方、投資は損益が不確定で、得をするかもしれませんが損をするかもしれないものです。
借金を返済する方が効果が大きいことを、この先で具体的にみていきましょう。
そのままだと2万円を利子で払わなければなりません。
そのままだと2%(2万円)損することが確定しています。
逆に、借金を完済できれば2%(2万円)の損を確実に減らすことができるのです。
借金を返すことによって、2%(2万円)分の得をしたともいえます。
利率2%で借りた100万円を用いて投資をし、4%で運用したとしても2%のプラスは得られます。
ただ、投資には不確実性がつきまとうことに注意しましょう。
- 借金返済は確実な2%
- 投資では不確実な2%
借金を返すことが、効果の高い運用といえるのはこういうところなのです。
ですので、借金がある人は今回の「貯金ゼロでも少しでも早く投資を始めた方がいいタイプの人」から外れるのです。
残高があるだけ使ってしまう人がなぜ対象なのか
残高があるだけ使ってしまう人がなぜ「貯金ゼロでも少しでも早く投資を始めた方がいいタイプの人」なのかというと、欲のコントロールが自分ではできていないだけの人だからです。
裏を返せば、欲のコントロールさえできれば、残高を増やすことができます。
暴論に聞こえるかもしれませんが、「残高があるだけ使ってしまう」タイプの人は「なければ使わない」と考えることができるのです(自分の経験も踏まえて)。
こういう声も聞こえてきそうです。
ですので、参考までに私がどういうタイプの人だったのかをお伝えします。
あなたが同じタイプかどうかを考えてみてください。
- 口座残高を確認してあるだけのお金を引き出したことがある
- 残高がないときはカードで支払い時期を先送りにしたことがある(ボーナス払い)
- それでも足りないときはカードでキャッシングをしたことがある(ボーナスで返済)
いかがですか。
あてはまってました?
このタイプがそんなに悪くないと思っている根拠は、残高はゼロになっているけれども生活は破綻していないところです。
カードで支払い時期を先送りにしたとしても、キャッシングをしたとしても、どこかで帳尻を合わせることができているのです。
それはある意味では「消費をコントロールできている」といえるかもしれませんね。
ただ、欲に負けて残高を全て使ってしまうだけ。
欲をコントロールするために自分を変えることできるのが理想ですが、なかなか難しいのが現状ではないでしょうか。
だから生活環境の方を変えていく。
具体的には、給料から先取りし、残高をコントロールすることで環境を変えていく作戦です。
貯金ゼロでつみたてNISAを始める作戦
では具体的に、貯金ゼロからつみたてNISAを始める作戦を確認していきます。
作戦は以下の2点です。
- 月々の積立金額設定
- 給与口座からの自動振替設定
それぞれの内容をこの先で詳しく説明していきます。
月々の積立金額設定
まずは月々の積立金額設定です。
最初は月々3,000円でも構いませんし、5,000円でも構いません。
大事なのは金額よりも「始めてみること」です。
いきなり月々33,333円(つみたてNISAの限度額)を投資する必要はないのです。
実際、私は月々8,500円程度から始めました(中途半端な金額なのは積立設定のせい)。
【初心者向け】つみたてNISAで月3,000円から始める投資戦略|目指せ!資産1,000万円超!!
そんな私が、少額からでもつみたてNISAを始めてほしい理由があります。
それは、積立金額が少額であったとしても「複利の効果はバカにできないほど大きい」からです。
以下、実例を挙げて考えてみます。
20年間ずっと3,000円を積み立てていった結果は下の表の通り。
積み立てた元本72万円(3,000円×12ヶ月×20年)が、運用収益額を加え最終的に約123万円になるのです。
長期間継続することによって生まれる、複利効果の大きさを実感できませんか。
正直、月に3,000円(1日あたり100円)が、今この瞬間あなたの手元からなくなったとしても生活は破綻しないですよね。
その「今なくなっても大丈夫なお金」が、いつしか123万円になって戻ってくることをイメージしてみてください。
ってなりません?
給与口座からの自動振替設定
続いて、給与口座からの自動振替設定をしていきましょう。
これが一番の肝かもしれません。
投資にまわすお金を”なかったもの”として考えることができるからです。
例えば、20万円がいったん手元に入りその中から1万円を差し出すのは、あらかじめ1万円を引かれるよりも精神的にキツく感じる人が多いと言われています。
実際私もそうでした。
だから「残高があるときには貯金をしよう」と思っていても、手に入れたものを失うのがイヤで結局は貯金ができないのです。
先取りで1万円が引かれ、手元に入ってくるのは19万円にしてしまう。
手元に残る金額は同じでも、精神衛生上こちらの方が楽で、生活も手持ち金で案外何とかなるものなんですね。
正直、最初の2~3ヶ月は気になります。
しかし、毎日24時間口座の残高のことばかりを考えているわけではないので、2~3ヶ月を過ぎたあたりから気にならなくなります。
そして多くの人が、証券口座の方を見るようになります(笑)
少しずつでも貯まっているのを数字で見るとさらに継続へとつながっていきます。
※投資信託の基準価額(株価のようなもの)は日々変動しますので、証券口座の方は見ない方が継続できる、という説もあります。
そして、最近はクレジットカード払いでつみたてNISAをする人が多くなってきているのも知っています。
それでも、給与口座からの自動振替を勧めたのは、「天引き」の効果を狙ってのものになります。
クレジットカード払いでも、支払時期など確認をして「天引き」効果が狙えるのであれば大丈夫でしょう。
逆にマズイと思うのは、給与振込日とクレジットカードの振替日がかけ離れている場合です。
「天引き」効果がなければ、結局は負担に感じて、継続が厳しくなってしまう可能性が上がります。
その点だけ注意していけば、クレジットカード払いはポイントも貯まるのでおススメですね。
まとめ:貯金ゼロでもつみたてNISAを始めた方がいい
再度の結論ですが、以下の条件を共に満たすなら「貯金ゼロでもつみたてNISAを始めた方がいい」と私は考えています。
- 借金がない(少ない)人
- 残高があるだけ使ってしまう人
そして、上記タイプの人向けのつみたてNISA「おすすめの作戦」は以下の2点。
- 月々の積立金額設定:今この瞬間になくなってもいい金額
- 給与口座からの自動振替設定:給与天引きだと精神的にラク
通常のセオリーであれば、「当面の生活に困らない貯金ができてから投資をする」ことになります。
ただ、それだと貯金が貯まるまで投資を始めるのを待たなければなりません。
私の経験上、貯金ゼロ(借金なし)タイプの人は、強制的にお金を貯める仕組みを作らない限りお金を貯めることができません。
であれば、資産を増やすこともできるつみたてNISAを強制的に始めることが、一番合理的な資産運用(貯蓄)方法だと思いませんか。
「少額からコツコツ積み立てができ、20年間は利益が出ても税金がとられない」つみたてNISAは、資金が少ない投資初心者の味方の制度です。
つみたてNISAを始めるためには
つみたてNISAを始めるために絶対に必要なのが、証券口座開設です。
証券口座開設だけだとすぐにできますが、「つみたてNISA口座の申請~税務署の審査を通過するまで」に2週間程度かかります。
証券口座を開設しても、すぐに投資を始めなければならないということはありませんが、投資を始めたいと思ったときに証券口座が開設できていないと始めることはできません。
ネット証券大手である、以下の2社であればまちがいないですし、Web上で手続きができ大変便利です。
特に条件がない、という人は楽天証券で口座開設をするのがよいでしょう。
YouTuberやブロガーも勧めていて、たくさん動画やブログ記事があるので、調べるとすぐに情報がゲットできるからです。
誰かのお金で損をしないためのお役に立てていれば幸いです。