資産運用を始めようと考えたときに、「結局、何を始めるのが一番いいんだろう?」と悩むことはないですか。
制度としては「つみたてNISA」に「NISA」や「iDeCo」があるし、株式や投資信託やETFなどもあるし、日本なのかアメリカなのかなどという選択肢もあります。
選択肢が多いのは嬉しいことなんだけど、初心者にとってみると「いったいどれをやるのが正解なの?」となってしまうのもわかります。
ですので今回は、インデックス投資と高配当株投資の両方を行っている私が、その違いとおすすめをまとめていきます。
資産運用初心者向けの記事です。
結論:インデックス投資と高配当株投資の違いを踏まえて良いとこ取りをしよう!
さっそく結論から言うと、私のおすすめは「分散の意味も込めて両方やっていくのが良い」です。
なぜなら、インデックス投資と高配当株投資ではその性格や目的が違っているからです。
もちろん、それぞれ個人の環境にも依ると思いますので、絶対ということではないですが。
性格や目的の違うものへそれぞれ投資していく方法は「コア・サテライト運用」と呼ばれています。
まずはその紹介をさせてもらいます。
コア・サテライト運用とは
コア・サテライト運用とは、運用する資産を「コア(中核)」と「サテライト(衛星)」に分けて運用する戦略のこと。
以下、マネックス証券の記事からの引用です。
投資を始める前にしておきたいことは、手元の運用資金を「減らしたくないお金(コア)」と「積極的に増やすお金(サテライト)」に分けておくことです。
~~(中略)~~
運用資金を分けたら、減らしたくないお金は安定したリターンが得られる商品(守りの投資)、積極的に増やすお金は高リターンの商品(攻めの投資)を選びます。(引用:マネックス証券「今さら聞けないコア・サテライト運用とは?」)
まとめると以下の通り。
サテライト:積極的に増やすお金→攻めの投資=高リターンの金融商品を選ぶ
私の場合、コアはインデックス投資で、サテライトが高配当株投資にあたります。
何かに集中投資した方がリターンは大きくなりますが、そうするとリスクも高くなりがちです。
つまり、コア・サテライトのバランス(比率)を考えることが、「分散(=リスク回避)」にもつながるんですね。
さまざま分散をすることで、リターンを得ながらリスクも回避していく戦略は、個人的には納得できます。
※厳密にいうと今回の記事内容(高配当株投資とインデックス投資の違いとおすすめ)は、コア・サテライト運用ではないのかもしれませんが、細かいことは気にせずにいきましょう。
一般的にコアとサテライトの比率は「8:2」が目安といわれています。
この先で、インデックス投資と高配当株投資の特徴に触れていきますので、それらを把握したうえで、自分に最適な比率を探していきましょう。
インデックス投資の特徴とは

インデックス投資とは、ある指数(=インデックス)に連動する(同じ値動きをする)ことを目指して運用する投資のこと。
指数として有名なところでは「日経平均株価」や「TOPIX」、「NYダウ」「NASDAQ」などがあります。
この中の1つくらいはあなたも聞いたことがあるのでは。
長期的にみるとこれらの指数は右肩上がりであり、そこに連動するように運用すればそれだけで資産が増える可能性が非常に高い、ということからインデックス投資は堅実な長期投資の手法として知られています。
インデックス投資のメリットとは
インデックス投資のメリットには、「始めやすい」「簡単に分散投資ができる」「負けにくい」が挙げられます。
◆始めやすい:つみたてNISAもできますし、興味のある指数に連動した投資信託(ファンド)を購入するだけで始めることができます。
どのインデックスファンドを選ぶか迷ったら、全世界系か米国系か先進国系などを選べばよいので、個別の銘柄について考える必要がないことも「始めやすさ」につながっていますね。
【実録】つみたてNISAを2年半(30ヶ月)コツコツ続けた結果|月々1万円からでも意味がある
◆簡単に分散投資ができる:インデックスファンドとは、対象の指数同様の銘柄が詰め込まれたものなので、既に分散されています。
「どう分散させようか」と初心者が考えていたら、それだけで時間がかかってしまいますし、いつまで経っても資産運用ができないということになりかねませんが、インデックス投資であればその問題はありません。
◆負けにくい:先にも書きましたが、「長期的にみると多くの指数は右肩上がりであり、そこに連動するように運用すればそれだけで資産が増える可能性が非常に高い」ということです。
特定の企業や国に全振りするなら、その企業や国の成長が止まるかもしれないという危険性もあります。しかし、「世界全体」や「市場全体」に目を向けると、世界の人口が増加し続けていることからもわかる通り、経済規模は拡大していく可能性が高いと思われます。
こうやってメリットばかり聞くと、インデックス投資に全振りするのが一番のような気がしてきませんか。
ですので、この先でインデックス投資のデメリット(と私が感じたこと)をお伝えしていきます。
インデックス投資のデメリットとは
一見するとカンペキにも見える、インデックス投資のデメリットは「手数料がかかる」「大きくは資産を増やすことができない」「長期間資産を拘束される」です。
◆手数料がかかる:投資信託(ファンド)を保有している間は、信託報酬という管理・運用に掛かる費用を払わなければなりません。
個別の株式(例えばTOYOTAの株)であれば、保有しているだけではコストはかかりません。
これは仕方がないことですので、ネット証券を用いるか、eMAXIS Slimシリーズ のような業界最低水準の運用コストを目指すものを選ぶことで回避していきましょう。
◆大きくは資産を増やすことができない:分散させることでローリスクではあるけれども、ローリターンでもあるということ。
例えば1社が伸びても、他が伸びていなければ「全体としての伸び」で考えると小さくなってしまうのです。
ただ、言い方を変えると「堅実な運用」といえるため、インデックス投資はコア・サテライト運用でいうと、コア部分に向いているのです。
◆長期間資産を拘束される:インデックス投資は長期分散投資に向いている手法です。
たとえ短期的にリターンが小さくても、コツコツ「時間」を掛けることで、尻上がりに資産全体を増やしていくイメージ。
言い方を変えると、資産が長期間拘束されることになるのです。
私が、インデックス投資に加え、高配当投資に興味を持つようになったのはこの点を解消したかったからです。
インデックス投資をすることで将来の自分は資産が増えて豊かになるかもしれないけれども、現時点の自分は豊かにならない(むしろ自由に使える金額が減る)。
じゃあ、現時点の自分に全振りすればいいかというと、そうとも言い切れない。
将来の自分も大事なので悩ましいところ。
「将来の自分」も「現時点の自分」も豊かにしたいのなら、双方に投資すればいいじゃない、という考えです。
高配当株投資の特徴とは

高配当株投資とは文字通り、「高い配当金」をもたらす株を保有することで、配当金を得ていく投資手法です。
インデックス投資が資産全体を増やしていくことが目的なのに対して、高配当株投資は配当金を得ることでキャッシュ(フロー)を増やしていく、インカムゲインが目的です。
定期的に配当金が入ってくることで「現時点の自分」が豊かになっていくイメージです。
高配当株投資のメリットとは
高配当株投資は、安定的にキャッシュを得ることができることが魅力。
高配当株投資のメリットとは、「日々の株価を気にしなくて済む」「着実にキャッシュを得ることができる」「現時点の自分が豊かになれる」だと思っています。
◆日々の株価を気にしなくて済む:株式売買によるキャピタルゲイン狙いの投資法だと、日々の株価に注目しなければいけないのに対して、中長期保有前提だと日々の株価を気にする必要はありません。
なぜなら、いくらで買ったかよりも、「何の株を何株保有しているか」が重要になるからです。
もちろん、高値掴みはしたくないので、私は参考までに2年ほどの期間でチャートを見ています。
とはいえ、株を購入して保有しない限りは配当は入らないので、まずは保有していく勇気が必要です。
◆着実にキャッシュを得ることができる:高配当株投資の最大のメリットは、配当金という不労所得を得ることができることだと私は思っています。
しかも、株価に比べて配当はある程度安定していることは、よく知らない人からすると意外なことかもしれませんね。
ですので、高配当株投資は「計算しやすい」といえます。
なにより、(税金は引かれるものの)不労所得が入ってくる喜びがありますね。
◆現時点の自分が豊かになれる:ここがインデックス投資とは大きな違いになります。
定期的に配当金が入ってくるので、現時点の自分が豊かになります。
それをどう用いるのか、現時点の自分が選ぶことができるのが違いでありメリットです。
高配当株投資のデメリットとは
高配当株投資にも当然デメリットがあります。
それは「税金がかかる」「大きくは資産を増やすことができない」「ある程度は企業研究が必要」ということです。
◆税金がかかる:配当金には20.315%の税金がかかります。
だいたい20%と覚えておくといいと思います。
配当金の使い途は使うも貯めるも再投資するも自由です。
が、もし仮に「絶対に再投資ありき」と考えているなら、税金により20%のロスがあることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
◆大きくは資産を増やすことができない:高配当株とはいえ、配当利回りは5%程度です。
分散を意識してポートフォリオを組んだとしたら、利回りは3~4%程度に下がります。
銀行に預けておくよりは300~400倍高いリターン(預金利率を0.01%と想定)ですが、それでも100万円のポートフォリオを組んで年間3~4万円の配当金です。
※税引き後で考えると、2.4万~3.2万円(月平均2千円~2.7千円)
月々3千円程度であれば増えた気がしないかもしれませんね。
これが1000万円のポーフォリオになると月々3万円となり馬鹿にできない金額になります。
やっぱり資金力は重要ですね!
◆ある程度は企業研究が必要:インデックス投資ではあまり考えなくても始めることができますが、高配当株投資は企業のことを知らないと投資先を決めることはできません。
この努力を「楽しい」と感じるか、「苦痛」と感じるかは人によって変わるところかもしれません。
私は、JTや武田薬品工業や三井住友銀行などの「誰でも知っているレベルの一流企業」から買い始めました。
【実録】ネオモバ(SBIネオモバイル証券)でお小遣い投資を始めて8ヶ月|実際の運用実績&当初と考え方が変わった部分
配当金を目的としているので、将来的に株価が上昇しそうな企業を見定める必要はありません。
奇をてらったような銘柄を探すのではなく、安定して配当金を出してくれる企業を探すのです。
そう考えると、少し気が楽になりませんか。
まとめ:インデックス投資と高配当株投資の違いを踏まえて良いとこ取りをしよう!

ここまで、インデックス投資と高配当株投資の特徴(違い)について確認してきました。
私のおすすめは、インデックス投資と高配当株投資の両方を行うことです。
そして、それぞれの特徴を踏まえて自分に最適な比率を探すことが大事。
特徴をまとめると、以下の通り。
メリット | デメリット | |
インデックス投資 | 始めやすい 簡単に分散投資ができる 負けにくい | 手数料がかかる 大きくは資産を増やすことができない 長期間資産を拘束される |
高配当株投資 | 日々の株価を気にしなくて済む 着実にキャッシュを得ることができる 現時点の自分が豊かになれる | 税金がかかる 大きくは資産を増やすことができない ある程度は企業研究が必要 |
それらを踏まえて、コア・サテライト的なイメージでそれぞれの配分を決めていきましょう。
少しでも安定が良いのであれば、「インデックス投資100%」というのもアリでしょうし、まずは「インデックス投資90%、高配当株投資10%」程度から始めるのもアリだと思います。
そして、インデックス投資を行うのであれば、つみたてNISAなどの優遇制度を利用することをお勧めします。
また、少額から日本株の高配当株投資を行うのであれば、ネオモバ(SBIネオモバイル証券)がお勧めです。
ネオモバで投資をしたい人は、このリンク先での証券口座開設がスタート地点です。
まずは証券口座を開設しておいて取引開始は自分のペースで、というのが賢明かもしれませんね。
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誰かのお金で損をしないためのお役に立てていれば幸いです。