あなたはもうふるさと納税を始めていますか。
すでに始めている人もいれば、これから始めようとしている人もいると思います。
それぞれの人に「どうしてふるさと納税をしたいんですか?」と質問したら、多分答えは共通していて、ほとんどの人が「お得だから」と答えると思うんですね。
そう!
それがふるさと納税!
しかし、なんでもかんでもお得になる、というものは世の中にほとんどないわけで。
詳しく知らないまま「とにかくお得だから」と妄信していくと、損をしてしまうかもしれないので要注意。
今回は、ふるさと納税初心者の私が自分のために調べてみて「これは知っておかないと損をする可能性がある」と感じたことを5つに絞ってお伝えしていきます。
ふるさと納税を始めようと考えている人向けの記事です
結論:ふるさと納税で損をしないために注意していきたいことは5つ
ふるさと納税で損をしないために注意していきたいことは次の5つです。
- まずは手出しが必要である点
- 年末まで上限額が確定しない点
- 名義違いの申込みは無効になる点
- 1/10までに書類の返送が必要な点
- 確定申告すると無効になってしまう点
1~3はふるさと納税全般を通して注意したい点で、4と5はワンストップ特例制度を利用する場合に注意したい点です。
それぞれをこの先で確認していきましょう。
ふるさと納税全般を通して注意したいこと3つ
まずは手出しが必要である点
ふるさと納税を始めるときに、気をつけておきたい点は「まずは手出しが必要である点」です。
これは、お金を使う時期とお金が還ってくる(控除により税金を払わなくて済む)時期が違うことに起因しています。
例えば10,000円のふるさと納税をした場合、以下のような流れになります。
- 10,000円の寄付(ふるさと納税)をする→今年
- 選んだ返礼品を受け取る
- 10,000円の税金が減額される→来年
※正確には寄付した金額から自己負担額2,000円を引いた金額8,000円が減額される
2年スパンで考えると、元が取れるように感じます(自己負担額除く)。
しかし、今年ふるさと納税を始めようとしている人は話が違ってきます。
今年の税金の控除はされずに、寄付の分の手出しをするわけですから、以下のようなイメージになるのです。

初年度だけ少しがんばらないといけないことがわかりますね。
所得がある程度一定であれば(控除上限額が一定であれば)、翌年からはうまく回るようになるのですが、初年度だけは自己負担が大きく感じることとなります。
年末まで上限額が確定しない点
次に気をつけていきたいのは、「年末まで上限額が確定しない点」です。
ふるさと納税は、自治体に寄付を行い、その額に応じて翌年の税金から控除される仕組みです。
以下のようなシミュレーターで自分の上限額を調べることができます。

先ほど、サラッと「給与収入」と言いましたが、ここが重要なのです。
特に営業などの成果報酬型の給与体系の人は、年始の段階では年収はほぼ未確定ですよね。
また、思ったとおりに賞与が出るかどうか、というのもあります。
つまり、年末まで上限額がはっきりとは確定しないのです。
それなのに、「前年の給与収入をもとに上限まで寄付を行ったが実際はそこまでなかった」となれば、予測と現実との間にズレが生じて損をしてしまう可能性が出てきます。
年末が近づくまでは、少し余裕をもってふるさと納税(寄付)をした方が良いかもしれませんね。
名義違いの申込みは無効になる点
続いては、「名義違いの申込みは無効になる」という点です。
家族のカードでの決済、決済名義について原則として、すべてのお支払方法において寄付控除を受ける方と決済をする方は同一である必要があり、そうでなければ「寄付金受領証明書」は有効となりません。
また、家族カード等を利用していて下記のような場合は、カード名義が異なっていても問題ございません。
■寄付申込者:Aさん
■カード名義:Aさんの妻Bさん
■カード引き落とし口座:Aさんなお、自治体ではクレジットカード名義やカード番号を知ることができないため、お申し込みされた方の名前で「寄付金受領証明書」を発行します。
そのため、実際はそのまま確定申告をしても控除されるケースがほとんどのようですが、本制度のルール上は寄付者と支払者が同一である必要がありますので、弊社としては名義が違っても大丈夫ですという回答がいたしかねます。(引用:ふるさとチョイス「FAQ」より※マーカー部分は筆者加工)
という、微妙な「名義違い」の話もありますが、それは控除には影響がないという記述が多かった気がしました。
ただ、今回確認したいのはそこではなく、以下の図式が成り立っていないと控除を受けられないという点です。
(画像出典:楽天ふるさと納税「ご利用時の注意点」)
寄付金受領証明書に載っている名前と、控除を受ける人の名前が一致していないのは、明らかにマズイ話ですよね。
こればかりは、後で修正という問題ではないので、気をつけていきたいポイントです。
税金にかかわることなので、住民票の情報と合っていなければならない、と覚えておけば大丈夫でしょう。
続いて、ワンストップ特例制度を利用する場合に注意したい点を確認していきます。
ワンストップ特例制度を利用する場合に注意したいこと2つ
1/10までに書類の返送が必要な点
ワンストップ特例制度を利用する場合に注意したい点として、「1/10までに書類の返送が必要な点」が挙げられます。
まぁ、これは年末ギリギリで申込みをした場合のみ、注意が必要ということになりますね。
ただ、先にもお伝えしたとおり給与収入が確定してくるのが年末になるため、覚えておくべき内容として挙げました。
いいえ、確定申告をすることで「自腹」を回避することができます。
これは大事なことなので覚えておいてほしいのですが、「困ったら確定申告」です!
「確定申告は面倒」と考えている人もいるかもしれませんが、実は少し知るだけで強い味方になる制度なのです。
私も医療費控除で確定申告をしたことがありますが、書類さえそろえておけばそこまで労力が掛からずにできましたよ。
寄付金控除の適用を受けるためには、確定申告書に特定寄付金の受領者が発行する寄付ごとの「寄附金受領証明書」の添付が必要とされていますが、令和2年度の税制改正により、令和3年分の確定申告から、特定寄付金の受領者が地方団体であるとき(ふるさと納税であるとき)は、寄付ごとの「寄附金受領証明書」に代えて、特定事業者が発行する年間寄付額を記載した「寄附金控除に関する証明書(電子データ)」を添付することができることとされました。(引用:楽天ふるさと納税「確定申告について」より※太字マーカーは筆者加工)
カードリーダーがあればオンラインでも手続き可能になります(e-Taxを利用) 。
それぞれの寄付先から届く「寄付金受領証明書」をすべて(何枚も)用意して確定申告へ臨む
【After】
年間寄付額を記載した「寄附金控除に関する証明書(電子データ)」をマイページ(「楽天ふるさと納税」など)からダウンロードでき、その1枚を用意して確定申告へ臨む
どんどん便利になっていきますね。
そんな素敵な確定申告ですが、注意すべき点もあるので、次で確認していきます。
確定申告すると無効になってしまう点
ワンストップ特例制度を利用する場合に注意したい2点目は、「確定申告するとワンストップ特例制度での申請が無効になる」ということです、
具体的には、以下のような感じ。
- 5自治体以内へのふるさと納税(寄付)
- ワンストップ特例制度利用で書類返送・WEB申請などで確認書類を送付
- 申請が受理され手続き完了していた
その後(医療費控除などで)、確定申告を行うと自動的にワンストップ特例制度での申請が「なかったものとなる」のです。
確定申告するとワンストップ特例制度の申請は無効になる(リセットされる)、ということ。
つまり、何らかの理由で確定申告を行う場合は、一緒にふるさと納税の申告も行わなければならないのです。
ですので、少し前に確定申告のことについてもカンタンに触れさせてもらいました。
まとめ:ふるさと納税で損をしないために注意していきたいことは5つ
ここまでに「ふるさと納税で損をしないために注意していきたいこと」を5つ確認してきました。
まとめると以下の5点。
- まずは手出しが必要である点
- 年末まで上限額が確定しない点
- 名義違いの申込みは無効になる点
- 1/10までに書類の返送が必要な点
- 確定申告すると無効になってしまう点
1~3は「ふるさと納税全般」を通して注意したい点で、4と5は「ワンストップ特例制度を利用する場合」に注意したい点。
それぞれを理解すれば、ふるさと納税はあなたにとって素晴らしい追い風となり、家計も助かるようになること間違いなし。
注意点まで確認できたら、実際にふるさと納税をやってみましょう。
誰かのお金で損をしないためのお役に立てていれば幸いです。