今までも治療費や入院費についてお伝えすることがありましたが、どちらかというと「公的医療保険制度」についてお伝えすることが多かったと思います。
今回は、実際に私が入院したときに「どのくらいの医療費がかかったのか」をもとにお伝えしていきます。
※資料は私が実際に入院していた時のものなので、現在との違いが大なり小なりあることをあらかじめ了承ください(2014~2015年当時の資料です)
※また、がんの種類など(様々な条件の違い)により治療方針も医療費も異なってくることを踏まえて見てください
以前の記事の内容(公的医療保険制度の基礎知識)がわかっていると更に意味がわかるかもしれませんので、「基礎知識を得たい」という人は以下の記事を参照してみてください。
結論:<一回の入院で>最大 約220万円の医療費に
私は2014年にがんが発覚し、そこから入院・通院あわせて約2年弱治療してきました(現在は経過観察中)。
その当時(2014~2015年)、医療費が一番高かったのが「一回の入院で約220万円」でした。
1月の入院医療費が約220万円です。
ちなみに、その前の月の12月の医療費は約55万円でした。
この金額の違いは「治療内容」の違いもありますが、「入院日数」の違いもあります。
よく見てもらえればわかるのですが、上の方は「8日間で約55万円」で、下の方は「22日間で約220万円」です。
8日間は短いと感じた人もいるかもしれませんが、これは実は11月から入院していたのです。
11月から入院していて、月をまたいで12月になってから退院したのです。その「12月の8日間」分が約55万円という意味です。
また、こういう計算は意味がないことは承知の上でしてみると、それぞれ「一日当たり約7万円(12月分)」、「一日当たり約10万円(1月分)」かかったということになります。
この一月の支払金額はいくら?
3割負担だけを考えると、
2,199,660円×0.3(3割)=659,898円
ですので、このままだと約66万円の支払いになります。
退院時に「66万円払いなさい」と言われたらどうでしょう。
私の場合だと「かなり厳しい」というのが本音です。
ただ、66万円も払わなくて大丈夫だったことを思い出してください。
「限度額認定証」があることで、自己負担限度額までの支払いでよくなるのです。
この式に当てはめると
となります。
ですので、自己負担限度額としての支払金額は約10万円(99,427円)となりました。
いかがでしょうか。
本来であれば220万円かかっていた医療費が約10万円になりました。
正直な話、
- 医療費総額の220万円を払う
- 3割負担金額の66万円を払う
どちらにせよ、かなり負担が大きく感じるかもしれません。
しかし、これが10万円になるのであれば、まだ支払えそうではないでしょうか。
この制度が誰にも適用されるのですから「公的医療保険(国民皆保険)制度は充実している」といっているのです。
日本国民は医療において、かなり恵まれている環境であることを再確認できます。
実際の支払金額は66,630円でした
220万円が自己負担限度額の10万円になるだけでも、家計的にはかなり助かりますよね。
しかし、私はさらに少ない金額の支払いで済みました。
1月末の退院時に、私が支払った総額は66,630円だったのです。
(総額とは、食事代や病院着代など諸々込みの金額という意味です)
その理由は、1月の入院までにすでに限度額を3回超えて支払っていたために、「多数回該当」という制度により医療費の自己負担限度額が44,400円になっていたからです。
これで220万円の医療費が約7万円になりました。
ですので、私は問題なく入院費を支払うことができ退院できました。
まとめ
正直な話、もし一回の入院で220万円払わなければならなければ、治療については考えたかもしれません。
民間医療保険に加入するときには(保険業者さんが)教えてくれなかった、「公的医療保険制度(国民皆保険)」にかなり助けられた形になります。
そういうこともあり、私としては「民間医療保険にすべてを頼るようなこと」については少しだけ懐疑的なのです。
別に、民間医療保険について否定しているわけではありません。
加入については個人の自由だと思っています。
すべてを知ったうえで個人の価値観に基づいて選ぶのであれば、後悔はしないと思うからです。
ただ、個人的には自分の無知が許せませんでした。
私は「もっと様々な制度を知っていれば、もっと違う選択肢が選べたなぁ」と強く感じたのです。
誰かの「お金で後悔しない人生」のお役に立てていれば幸いです。