私にはつみたてNISA を始めるときに心配していたことがあります。
それは「自分の大切なお金を任せて大丈夫なのか」ということでした。
投資を始めようとしたときに誰もが考えるテーマではないでしょうか。
その気持ちはすごくわかります。
実は、私自身がそういったことをずっと考えていたからです。
私の場合は、赤字家計を立て直してなんとか作り出したお金を投入しようと考えていましたので、余計にそう感じていたのかもしれません。
私は「損をしたくない」の一心でたくさんのことを調べていました。
その結果「調べすぎて投資を始められていない」という状況が続いていくことになります。
ですので、今回は「あなたが本当に気にしなければならないこととは何なのか」をお伝えしていきます。
特に「これからつみたてNISA(積立NISA)を始めたい」と考えている人に向けての内容になります。
結論:リスクに目を向けるためには理論武装を!
「つみたてNISA は多くの人がしているから安心」という考え方では、本当の意味での不安は消えません。
少なくとも私はそうでした。
そういった意味でも、多少の理論武装はしておいて損はありません。
むしろ、投資開始前だからこそ「積極的に理論武装をしておく必要がある」のです。
まずは、①リスク許容度についての知識を知っていきましょう。
リスク許容度
「リスク許容度」とは、簡単にいうと「自分はどのくらいのリスクを受け入れることができるのか」ということを表したものです。
そういわれてもピンとこない人もいるかもしれないので、さらに2つの質問で確認していきます。
- そのお金が半分になってもよいですか
- そのお金がゼロになってもよいですか
これらの質問に対する回答が「あなたがどのくらいのリスクを受け入れられるのか」を表します。
受け入れられないほどのリスクを抱えていては、ゆくゆく投資が続けられない状態になる可能性が高まります。
つみたてNISAにおいては「続ける」ことがポイントです。
「続けられない」状況を回避するためにも、自分のリスク許容度について確認しておくことが必要なのです。
そのお金が半分になったとしたら
まず知っておいてほしい事実からお伝えします。
「リーマンショック」という言葉を聞いたことがある人もあるかもしれません。
歴史を振り返ると、定期的に世界金融危機が起こっているという事実があります。
そのときは株価が約半分になることもあるのです。
参照:内閣府 内外の株価の動向
ですので、「そのお金が半分になったとしても、あなたの生活は破綻しないですか」「投資が続けられますか」ということがまず第一の質問になります。
「つみたてNISAは時間で稼ぐ」といった通りです。

つみたてNISAは、続けていくことがポイントになります。
半分になるくらいなら大丈夫?
「半分になるくらいなら大丈夫だろう」
投資を始める前は簡単にこう考えがちです。
しかし、これは簡単に考えない方がよいです。
実際のところは経験しないとわからないとは思いますが、自分の大切にしているお金が目の前で日々減っていくのを見るのは正直恐怖でしかありません。
私のつみたて投資開始は2018年の11月です。
12月に入るとさらに不安定さを増した。米連邦準備理事会(FRB)が世界経済の先行き不透明感を指摘しながら利上げの継続方針を示し、米国株が再度急落。トランプ政権の高官辞任など混乱も相次いだ。25日に日経平均は1010円安となり、1年3カ月ぶりに2万円を割った。
(引用:日本経済新聞 2018/12/28)
当時は、インデックス投資だろうがなんだろうが軒並み値を下げていっていました。
それに伴い、私の積立投資実績も「日々マイナス」を更新していったのです。
その結果、私は「自分の決断は間違っていたのだろうか」と日々の数値を見ながら葛藤の日々を過ごすことになりました。
投資開始時の少ない金額だったのにもかかわらず、気持ちが騒がしくなってしまったのです。
こういった経験をすることで、自分はリターンにばかり目がいってリスクについては目がいっていなかったんだと痛感できたのです。
そのお金がゼロになったとしたら
これが大事なチェックポイントかもしれません。
先ほどもお伝えした通り、人は自分が取れるリスクに対しては低く見積もりがちです。
実際、投資を始めようとしている段階では、どちらかというとリターンにばかり目がいきます。
ただ、本当に大事なのは「自分が取れる以上のリスクをとっていないか」を把握することです。
例えば、
このとき、リターンは1,000円です。
理論上は、
- 10万円を投入すれば1万円のリターンになります。
- 100万円を投入すれば10万円のリターンになります。
- 1,000万円を投入すれば…
では、あなたは借金をして1,000万円を追加投資しますか、という話なのです。
借金してでも投資すべき?
その通りです。
10%のリターンがあるならば、借金してでも投資した方がよいことは間違いないです。
ただ、気づいた人もいるかもしれませんが、「過去の実績」と「将来の予測」は違います。
借金までして1,000万円を投入しても株価が暴落すれば、残るのは借金だけです。
長い人生の中では、1,000円分の宝くじを買って1万円を手に入れることもあると思います。
確かにそこだけを見ると「1,000円投入して1万円のリターンがあった」といえるかもしれません。
だからといって、そのリターンを期待して次回は100万円分宝くじを買いますか。
もし、自分の家族がそのような行動をとろうとしていたら、あなたは宝くじ購入を止めさせるのではないでしょうか。
そうです。
資産運用とギャンブルは違います。
冷静なときには絶対にしないような行動ですが、欲に目がくらんだ状態だとやってしまいがちです。
それは間違いなく、「リスクよりリターンに目がいっている危険な状態」なのです。
「そのお金がゼロになってもよいのか」を自問自答して冷静で合理的な判断をしていきましょう。
まとめ:リスクに必ず目を向ける
今回は基礎的理論武装として「リスク許容度」について確認してきました。
つみたてNISAは、少ない金額でも「続けることで大きなリターンを得る」というものです。

ギャンブル依存症のように、リターンにばかり目がいって冷静さを欠いている状態では「合理的判断ができる」とは思えません。
その結果、「続けられなくなる」ということが起こります。
これは、つみたてNISAにおいては一番避けたいことです。
「慎重になりすぎるのも問題では」という意見もあると思います。
ただ、自分の大切なお金を運用していくのですから、私はこれくらいの慎重さはあってよいと思っています。
これを機会に一度自分自身を振り返ってみるのもいいのではないでしょうか。
誰かのお金で損をしないためのお役に立てていれば幸いです。