投資で資産を増やすのは理論的には簡単です。
たった2つのことをするだけのことです。
- 安いときに買い
- 高くなったら売る
これだけです。
ただ、「いつが一番安いときなのか、いつが一番高いときなのか」が誰にもわからないのです。
安いときばかりを探していると「買いのタイミング」を逃してしまったり、いつまでも買えなかったりします。
今が高いときだと思ったあとに、さらに高くなるということも普通にあるでしょう。
こういったことを繰り返してばかりいると、「投資が始められない」という状況に陥ってしまいます。
まるで長縄(大縄)跳びで、縄の動きばかりを見ていて、入るタイミングが見つけられない人みたいになるわけです。
ですので、今回は「あなたが本当に気にしなければならないこととは何なのか」をお伝えしていきます。
特に「これからつみたてNISA(積立NISA)を始めたい」と考えている人に向けての内容になります。
結論:誰とも戦わなくていいし、誰にも勝たなくていい
結論からいうと、つみたてNISAでは「誰とも戦いません」し、「誰かを出し抜く必要はない」のです。
ですので「株価などの値上がり・値下がり」は見なくて大丈夫なくらいです。
むしろ、人によっては値動きは見ない方がよいのかもしれません。
「それでいいのですか」という質問が頭に浮かんできそうですが、「それでいい」のです。
以下、その理由を確認していきます。
一般的な投資のイメージ
いわゆるデイトレードなどの積極投資であれば、「購入時からいくら値上がりしたか」が重要になります。
「購入金額と売却金額との差」が儲けになる仕組みです。
なぜこうなるのかというと「株価の決まり方」にその理由があります。
その仕組みとは
- その株式を誰かが売れば株価は下がる
- その株式を誰かが買えば株価は上がる
というものです。
そして、「株式を売買する」とは
- その株式を誰かが売れるということは、誰かが買っている
- その株式を誰かが買えるということは、誰かが売っている
ということを表します。
- その株式を誰かに高値で買わせれば、自分が儲かる
- その株式を誰かに安値で売ってしまえば、自分が損をする
言葉を選ばずに言うならば「誰かを出し抜かなければ儲からない」ということです。
つまり、誰かに勝たなければいけないということと同義なのです。
そのために、瞬時に反応しなければならなくなり、「パソコンのモニターやスマホ画面をずっと見ていなければならない」ということが起こるのです。
つみたてNISAのイメージ
ただ、これが「つみたてNISA 」となると話が変わってきます。
つみたてNISAでは誰にも勝たなくてよいのです。
つみたてNISAは、定額を決まったタイミングで買い続ける(投資し続ける)方法です。
こちらが払っている金額は常に同じですので、
- 安いときに買わなかったり
- 高いときにだけ買ってしまったり
を避けることができるのです。
「時間」を分散させることで「リスク」も分散させる作戦です。
「ドルコスト平均法」という理論武装
具体的に見ていきましょう。
株価は上下しています。
いつの時点が「高い」のか、「安い」のか初心者にはなかなかわかりませんし、「相場感」もありません。
「安い」そのタイミングを狙って全額を一気に投資する、という手法は初心者にとってとてもリスキーな方法です。
しかし、定期に定額の買い付けをしていくことで、
- 価格が高いときには少なく購入する
- 価格が安いときには多く購入する
ことができるようになるのです。
こういう投資手法を「ドルコスト平均法」といいます。
「ドルコスト平均法」の具体例
では、ここからは「ドルコスト平均法」の具体例を考えていきます。
例によって、表・計算式は私が作成しています。
- 一番上の「基準価額」がいわゆる「株価」的なものです。
- 一番下の「評価額」が、その時点でのあなたの保有資産(の評価額)です。
- 購入口数は基準価額が下がれば多くなっている
- 評価額は 基準価額が下がれば下がっている
この2点が同時に絡んでくるので、少しややこしく感じるかもしれません。
例えば2ヶ月目では、基準価額が下がっているので、保有している口数は合計で2.25(万口)と増加しています。
ただ、基準価額が下がっているので、保有している資産の評価額は「投資している2万円」より下回っている(\18,000になっている)のです。
その結果、今回の例でいうと、
- 最終的には基準価額が1万円になっている(変わっていない)のに、
- 6ヶ月後の資産評価額は約7万円(投資額は6万円)
と増やすことができているのです。
つまり、つみたてNISAでは株価の上下に対して「金額」で対応するのではなく、「購入口数」で対応することでリスクを回避していくのです。
安値のときは「バーゲンセール」状態
一般的な株式売買では、「株価が下がる」ということは「保有資産(額)が減る」ということを表しますので、正直イヤなことになります。
先ほども確認したように、「株価が下がれば保有資産(額)が減る」ということは、つみたてNISAにも当てはまることです。
ただ、つみたてNISAではそれと同時に「安く買えるタイミングである」ということを表します。
つまり、一般的な株式投資では「株価が下がることはとても避けたいイヤな状態」だけれども、つみたてNISAでは「安く買えるバーゲンセール状態」という嬉しい側面もあるということなのです。
このように、基準価額の上下に一喜一憂することなく、市場に身をゆだねる形で着々と「続ける」ことがポイントとなるのです。

まとめ
※投資は自己責任です。リスクも理解したうえで納得して行ってほしいと思います。
つみたてNISAにおいては「株価などの値上がり・値下がりは見なくても大丈夫」といっていた意味が少しは伝わりましたか。
つみたてNISAは「株価(基準価額)が上下を繰り返しながらも、全体として見れば少しずつ成長している」という資本主義社会の可能性に投資しているといっても過言ではありません。
株価の上下に一喜一憂しないためにも、むしろ、値動きは見ない方がよいかもしれません。
No.1ネット証券ではじめよう!株デビューするならSBI証券
そして、振り返ってみれば、「あの時の株価(基準価額)下落がたくさん買えてよかったなぁ」と言っている自分がいる。
私はそんな姿を想像しながら日々着々と積み上げています。